トリゴネリン

トリゴネリン(Trigonelline)は、コーヒーの生豆に含まれるアルカロイドの一種。化学構造はカフェインと似ているが、覚醒作用などの薬理作用はほとんどない。生豆中の含有量はおよそ1%前後とされ、カフェイン(アラビカ種で約1.2%)と並ぶ主要なアルカロイドのひとつ。

最大の役割は焙煎中の変化。熱によってトリゴネリンが分解されると、ピリジン類などのコーヒーらしい香り成分や、ニコチン酸(ビタミンB3/ナイアシン)などが生成される。つまりトリゴネリン自体は無味無臭に近いものの、焙煎の過程でコーヒーの香り・風味を作り出す「前駆物質」として欠かせない存在。深煎りほどトリゴネリンの分解が進むため、香りの構成も変化する。